職業訓練と教育訓練給付金は、
雇用保険の状況で使える制度が違う。
更新日:2026年10月13日

転職に向けて学び直すときに使える国の制度は、大きく分けて2つあります。仕事を探している人が無料で受ける職業訓練(ハロートレーニング)と、自分で選んだ講座の費用の一部が戻る教育訓練給付金です。どちらが使えるかは、雇用保険を受給しているか、加入していた期間がどれだけあるかで決まります。
先に結論
- 離職して雇用保険(基本手当)を受給している
- 公共職業訓練(離職者訓練)。受講料は無料(テキスト代は自己負担)で、基本手当に加えて受講手当(日額500円、上限あり)と通所手当を受けられる場合があります。
- 雇用保険を受給できない
- 求職者支援訓練。受講料は無料で、本人の収入が月8万円以下などの要件を満たすと、職業訓練受講手当として月10万円を受けられます。
- 働きながら、または自分で選んだ講座を受けたい
- 教育訓練給付金。厚生労働大臣が指定した講座を修了すると、費用の20〜80%(種類と条件による)がハローワークから支給されます。
厚生労働省とハローワークの公式ページで、2026年10月13日に確認しました。要件を満たすかどうかの判断は、住所を管轄するハローワークが行います。
ハロートレーニングは2種類
ハロートレーニングは、仕事を探している人のための国の職業訓練の呼び名です。雇用保険を受給しているかどうかで、受ける訓練が分かれます。
| 項目 | 公共職業訓練(離職者訓練) | 求職者支援訓練 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 雇用保険を受給している求職者 | 雇用保険を受給できない求職者(雇用保険の適用がなかった人、受給が終わった人、フリーランス・自営業を廃業した人、収入が一定額以下の在職者など) |
| 受講料 | 原則無料(テキスト代は自己負担) | 無料(テキスト代は自己負担) |
| 受講中の手当 | 雇用保険の基本手当、受講手当(日額500円、上限あり)、通所手当 | 要件を満たすと職業訓練受講給付金(職業訓練受講手当 月10万円、通所手当、寄宿手当) |
| 訓練の期間 | 求職者支援訓練より長いコースがあり、最長2年 | 2か月から6か月 |
| 申込先 | ハローワーク | ハローワーク |
求職者支援訓練のコースには、ビジネスパソコン科・オフィスワーク科(基礎)、OA経理事務科(営業・販売・事務)、医療・介護事務科、WEBデザイナー科などがあると厚生労働省は案内しています。託児サービスを使えるコースもあります。事務職の転職サービスは事務職の比較表にまとめています。
受講までの流れ
どちらの訓練も、訓練が必要だとハローワークが認め、受講のあっせんを受けることが条件です。
- ハローワークで求職の申込みをし、職業相談を受ける。
- 訓練コースを選び、受講を申し込む(給付金を希望する人は、あわせて審査を申請する)。
- 訓練の実施機関で、面接や筆記などの選考を受ける。
- 合格すると、ハローワークが受講をあっせんし、訓練が始まる。
求職者支援制度では、訓練の期間中から終了後3か月まで、原則として月に1回ハローワークで職業相談を受けます。給付金を受ける人は、そのときに支給の申請もします。雇用保険の基本手当の手続きは退職の手続きと失業保険にまとめています。
職業訓練受講給付金の要件
求職者支援訓練などを受ける人が月10万円の職業訓練受講手当を受けるには、次の要件をすべて満たす必要があります。要件は支給の単位期間ごとに確かめられます。
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 今住んでいるところのほかに、土地・建物を持っていない
- 訓練の実施日にすべて出席している(やむを得ない理由で欠席した場合も、8割以上の出席が必要)
- 世帯の中に、同時に給付金を受けて訓練を受けている人がいない
- 過去3年以内に、不正な行為で特定の給付金を受けていない
- 過去6年以内に、職業訓練受講給付金を受けていない
ここでの「世帯」は、本人と、同居しているか生計を同じにする別居の配偶者・子・父母です。収入の要件を満たさなくても、本人の収入が月12万円以下で世帯の収入が月34万円以下なら、ほかの要件を満たせば通所手当だけは受けられます。通所手当は月42,500円まで、寄宿手当は月10,700円です。給付金の要件を満たさない人も、訓練そのものは無料で受けられます。
教育訓練給付金は3種類
教育訓練給付金は、雇用保険に加入している人と、離職して1年以内の人が使える制度です。厚生労働大臣が指定した講座を受けて修了すると、払った費用の一部がハローワークから支給されます。
| 種類 | 支給される額 | 雇用保険に加入していた期間 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 費用の20%(上限10万円) | 3年以上(初めて受ける人は1年以上) |
| 特定一般教育訓練 | 費用の40%(上限20万円)。資格の取得などをして修了後1年以内に雇用されると50%(上限25万円) | 3年以上(初めて受ける人は1年以上) |
| 専門実践教育訓練 | 費用の50%(年間上限40万円)。資格の取得などをして修了後1年以内に雇用されると70%(年間上限56万円)、さらに賃金が受講前より5%以上上がると80%(年間上限64万円) | 3年以上(初めて受ける人は2年以上) |
- 離職した人:雇用保険の資格を失った日(離職日の翌日)から受講開始日までが1年以内であることが条件です。
- 前もって必要な手続き:特定一般と専門実践は、訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受け、受給資格の確認をハローワークで済ませます。期限は受講開始日の2週間前です。
- 支給されない場合:受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けたことがある場合や、支給額が4千円を超えない場合です。
- 追加の給付の時期:特定一般の50%と専門実践の80%は、令和6年10月1日以降に受講を始めた場合が対象です。
失業中に初めて専門実践教育訓練(通信制・夜間制を除く)を受ける人で、受講開始時に45歳未満などの要件を満たす場合は、教育訓練支援給付金(基本手当の日額の60%)もあります。令和8年度末までの暫定措置です。
講座を探す・相談する
- ハロートレーニングのコースは、ハローワークインターネットサービスの訓練コース検索で、都道府県・分野・募集期間ごとに探せます。
- 教育訓練給付金の対象講座は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで探せます。
- 受講の申込み、給付金の要件の確認、支給申請は、住所を管轄するハローワークで受け付けています。教育訓練給付金は、受講前に支給要件を照会することもできます(電話での照会は受け付けていません)。
訓練を受けたあと、担当者に求人を紹介してもらいたいときは、紹介・総合型の比較表や20代・第二新卒の比較表も参考にしてください。
出典と確認範囲
厚生労働省とハローワークの公式ページで、2026年10月13日に確認しました。金額と要件は確認した時点のものです。自分が要件を満たすかどうかは、ハローワークで確かめてください。



